女ゴコロを学ぶ Vol.330

パートスタッフはお客様


こんにちは!女ゴコロマーケティング研究所の木田です。


全国の有名レストランのシェフがこぞって買い求めにくる
精肉店の仕事場を見学させていただく機会がありました。

緻密に温度、湿度、気流を管理された熟成庫。
清潔で整理整頓された作業環境。
仕事に誇りを持ち、肉とお客様に誠実に向き合うスタッフの方々。

店主は、熟練の技術と目利きで
一軒一軒、卸先の料理人の好みと要望に合わせ
肉を手当てし、細心の注意を払って届けます。

まさに職人技の世界です。

その精肉店はレストランに肉を卸すほかに
店頭やインターネットで一般消費者に販売もしています。

評判を聞きつけ
地元のみならず遠方からも買い求めに来られるほどの
人気店なのですが

店主は、店頭などで一般消費者に販売する肉は
自分では味見をせず

毎日、地元採用しているパートスタッフに食べてもらい
美味しいと判断したものを店頭に並べているというのです。

その理由を聞くと


「自分は、こだわりの強いイタリアンやフレンチの一流シェフを
 相手にしているので舌が肥えすぎている。

 一般のお客様が肉を買って家庭料理に使うのとは感覚がズレるから
 地元採用している女性パートスタッフに味見をしてもらっている。

 自分がイマイチと思っても、パートスタッフがおいしいと言えば
 そちらを信じることにしている。

 自分にとっては、パートスタッフ=お客様だ。」

という答えが返ってきました。

いや、凄いです。
テレビや雑誌でも引っ張りだこの店主が
パートスタッフの舌を信じると…。


そういえば

ある洋菓子チェーンをV字回復させた社長が
その秘訣を聞かれ


「新商品を投入する際、社内の女性スタッフにとにかく試食をしてもらい
 おいしいと評価の高かった商品しか店頭に並べないようにした。
 社内にたくさんいる女性スタッフ=お客様だから
 彼女たちの感覚を信じて活用しているのです」


と、同じようなことをお答えになっていたのを覚えています。


商品開発にせよ、商品構成にせよ
専門性をつきつめるあまり
一人よがりになり
お客様を置き去りにしてしまうということは
よくあることです。


女性向けに販売するのであれば
まずは社内の女性スタッフに試してもらい

その声を活かしてみる。

ローコストで明日からでも実践できることです。

そうやって店づくりに参画しているという経験は
スタッフのモチベーションアップにもつながり

まさに一石二鳥なのです。