女ゴコロを学ぶ Vol.329

それでも増える“推し活消費”


こんにちは!女ゴコロマーケティング研究所の木田です。


11月のある日、北海道の新千歳空港は
多くの女性客でごった返していました。

飛行機の中も、現地移動のバスや電車の中も人、人、人
飲食店も土産物店も長蛇の列。

この日、札幌市内では2つの人気グルーブ
snowmanとbacknumberのライブが開催され
全国からファンが詰めかけていたのです。

週末に道外から札幌に遠征に行くとなると
航空チケット、宿泊費、食事代など、ざっと10万前後はかかります。

それにペンライトやタオルにウチワ etc.
ライブ関連グッズの購入費などを入れると
どれだけの消費が動いたのでしょう。

物価高騰で食料品や水道光熱費が
数十円、数百円上がったと騒いでいることが
まるで別世界の出来事のように感じられます。


推し(お気に入りのキャラやアイドルなど)を応援する活動=推し活の
市場規模は現在8000億円とも言われていて年々増加し
今後も成長が期待されています。

直接的な公式グッズや主催ライブ、イベントだけでなく

推しがアンバサダーや広告宣伝に携わる商品の応援消費や
推しが訪れた土地や店などへの聖地巡礼に伴う消費
推しが出演するコンテンツを観るための配信サブスク加入などもあわせると

推し活に起因する市場規模は
その倍は余裕であるのではないかと予測します。

今や3人に1人は「推し」がいると自認し
男性よりも女性の方がその割合は多く

可処分時間における推し活時間の割合も
可処分所得における推し活支出の割合も
女性の方が高い傾向があります。

消費が低迷する中でも好調な推し活関連消費
私たちも何か取り入れることはできないでしょうか?


大きく分けるとこの3つ



1.推し活に必要なグッズやサービス、場所をつくりファンに利用してもらう

  例えば、推しの写真で転写ラテアートが楽しめるカフェ。
  推し活できるホテルプラン、推し色が揃ったグッズなど。


2.広告宣伝に起用し、推し活の一環として商品購入、情報拡散をしてもらう

  例えば、CM、アンバサダー、インフルエンサー起用など。


3.自社ブランド(キャラクター)自身が推し活の対象となる

  推されるキャラや人物がやっていることを参考に
  ブランドコミュニケーションを構築する。



推し活消費は、不景気を吹き飛ばすほどの絶大な威力がありますが
その原動力は、少しでも推しの応援がしたい、推しと繋がりたいという願いです。

その願いを共に応援したい、成就の手助けがしたいという思いがなく

単なるお金儲け、販促の手段(モノ)として利用する
という姿が透けて見えれば
反感を買い、アンチが増えるというリスクも忘れてはなりません。