女ゴコロを学ぶ Vol.307

ライフスタイルを変える冷食市場


こんにちは!女ゴコロマーケティング研究所の木田です。


コロナ禍の巣ごもり需要で注目を集めた

冷凍食品市場が今もなお好調で

2022年の国内消費は前年比11%増

過去最高の1兆2065億円に達しており

外食向けなどの業務用商品が振るわない分
家庭向け商品が市場を牽引しています。


スーパーの冷凍食品売り場を見れば
年々取扱商品が増え


野菜、果物、お弁当食材、食卓のおかず、パスタ、米飯
中華、洋食、一流シェフ、有名レストランのメニュー など

壁面いっぱいにコーナー展開されているところも少なくありません。



最近の冷凍食品は冷凍技術の革新で

味もよく栄養価も期待できます。

そして日持ちもよく調理方法はレンジでチンするだけ。

子どもからお年寄りまで火を使わず安全に気軽に

調理できるのが利点です。



そんな好調な冷凍食品市場ですが

私たちのライフスタイルを変えるような商品が

今、トレンドになっています。


それは、主食やおかずを組み合わせたワンプレート冷食。

パスタとハンバーグがワンプレートになっていたり
チキンなどの主菜と野菜などの副菜がワンプレートになっていたり


プレートごとレンジで温めるだけで食事が完結する仕様のもの。


生活パターンが多様になり

個食化が進む中で着実に市場を拡大し


一般家庭向けのスーパーだけでなく

運用コストの上昇で
設置が難しくなっている企業や学校の食堂に

代わりとして
ワンプレート冷食の自動販売機を設置する流れも起きています。



私がもう一つ注目するのは宅配弁当への導入です。


これまで宅配弁当といえば事前に日にちを指定し
当日食べ切るお弁当を
届けてもらうスタイルでしたが


急遽、予定が変更になり家で食べられなくなったり
体調が悪かったり、気分が変わって食べたくない日や
冷蔵庫の食材の都合で今日は自炊したいなど


そういう都合に臨機応変に対応できないという
難点がありました。


実際、私の実家でも高齢の両親が

毎日、食事をつくるのは負担が大きいけれど
融通の利かないお弁当の宅配を頼むのも負担に感じる
ということでなかなか対処できないでいました。


宅配弁当が冷凍で届いたなら
その時々の自分の都合で食べる、食べないを決められる。

冷凍室にストックしておけば
食事の用意が億劫な時の安心材料にもなります。

ちなみに宅配食のナッシュでは
管理栄養士が栄養価を管理したプレートメニューが60種類以上。
日持ちは6か月~1年が目安となっています。



高齢化社会、食品ロス削減、女性の社会進出と家事分業化

などを背景に

これからも冷食市場には追い風が吹き

それに関連する新たな取り組みも増えていきそうです。