女ゴコロを学ぶ Vol.306
売上とは何か?
こんにちは!女ゴコロマーケティング研究所の木田です。
見るのも聞くのも不快な方もいらっしゃるかも知れないので
書こうか、書くまいか悩みました。
しかし、この2週間あまり私の頭の中に居座って離れないこと。
過去には
女ゴコロをなぜつかむのか?推し活とは?というテーマで
取り上げさせてもいただいたので
ジャニーズを取りまく企業の対応について
感じたことを書きたいと思います。
ジャニーズ事務所の性加害問題について
9月7日の当該事務所の記者会見を受け
所属するタレントを起用したCMの打ち切りが相次ぎました。
打ち切りにせよ、継続するにせよ
各社それぞれに 正義とするところも 事情も違うので
判断そのものに対しては いいも悪いもないと思っています。
しかし、
特に打ち切りを表明した一部の企業の
強い批判のコメントを見ていると
起用したタレントを通して
商品を知り、愛着を持ち、ともに盛り上げようと
今の今まで応援を続けてきたファンへの配慮はなく
企業の発した正義の言葉が 結果として
ナイフのように切りつけるように感じました。
タレントに非がないと100%言い切れるのかはわかりません。
ただ、ファンにとっては
長年、苦楽をともにし応援してきたタレントが
矢面に立って諸悪の象徴として非難され
排除されるのは本当に辛いことです。
「人権を損なってまで必要な売上は1円たりともありません」
企業の姿勢として全くもって正しいことではあるけれど
ここに当てはまる“売上”というのは
タレントを愛してきたファンの“思い”がもたらした結果であって
その“思い”の一切を悪しきもの、金輪際いらぬものとして
切り捨てたように感じられました。
現にSNSでは
企業のコメントを発端に
ファンの混乱や苦痛の声が絶えず
対立軸ができあがり誹謗中傷にまで広がっています。
一方で、同じようにCM打ち切りや
新たな契約はしないと宣言していても
ともにブランドを作り上げてきたタレントへの思いや
最悪の判断を避けるため半年前から
事務所へ要望を出してきたことを明かすなど
少しでも 起用タレントやファンへの 寄り添いを示した企業へは
企業の決断に対して理解を示し
これまで起用してもらったことへの感謝の言葉が寄せられています。
この差は何か…。
これ以上、傷つく人を増やさぬよう
これ以上、失望する人を増やさぬよう
今回の件を対岸の火事とはせず
私たちの判断や言動のその先に
少なからず影響を受ける“人”がいるということを慮り
企業の社会的責任とは何かを 今一度考える機会なのだと思います。