女ゴコロを学ぶ Vol.279
家計は値上げを許容しているのか?
こんにちは!女ゴコロマーケティング研究所の木田です。
日銀総裁の発言が波紋を呼んでいます。
「家計が値上げを許容している」
そこだけが切り取られて
「許容した覚えはない!強制されているんだ!」
「世間知らず!」
と批判が相次いでいるのですが
日銀総裁の言葉はそこで終わっているものではなく
「家計が値上げを受け入れている間に
良好なマクロ経済環境をできるだけ維持し
賃金の本格上昇につなげていけるかが当面のポイントだ」
というもの。
確かに企業の利益が上がらなければ
従業員の賃金上昇のための原資も増えないわけで
言い方はともかく至極ごもっともな話…。
しかし今回「家計が値上げを許容している」と判断する
根拠となったとされるデータに着目してみると
“なじみの店でなじみの商品の値段が10%上がったときにどうするか?”
という質問に対し
“別の店に行く”と答えた人が 昨年の57%から 今年は44%に減少し
“なじみの店で買う”と答えた人が 56%に増えたという
逆転現象が起こったからだというもの。
ん?待てよ?
この結果って単純に値上げを受け入れる云々だけでなく
私たちの“なじみの店を支えたい”という意識の変化も
含まれているのでは?と思うのです。
コロナ禍で多くの商業が打撃を受けました。
特に飲食やそれに関わる生産者も大打撃を受けました。
閉店を余儀なくされたお店もたくさん見てきました。
しかし、苦しい中でも顧客との関係性がしっかりできていたお店は
応援したい、支えたいというお客様の思いや行動で
なんとか持ちこたえることができたという事例も多かったと思います。
なじみの店でなじみの商品の値段が10%上がっても
他の店へは行かず、なじみの店で買うという行動は
モノや価格といった物理的な条件だけでなく
コロナ過を経て消費者と提供者の関係性が消費に大きな影響を与える
“関係性消費”の傾向が高まったからともいえるのではないでしょうか?
ここで皆さんに質問です。
皆さんはお客様にとって
“なじみの店”“なじみの商品”“なじみの企業”になっていますか?
そのためにどんな努力をしていますか?
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