事例:パイロットコーポレーション様

書くことの新しい価値を創出し、マーケットを切り拓く
パイロットコーポレーションの新ブランド「ILMILY」開発秘話

女性プロジェクト メンバー

パイロットコーポレーションの女性社員による社内横断型プロジェクトで生まれた新ブランド「ILMILY」。 “手書きの時間をもっとすてきに、らしく、楽しく”をコンセプトに、書くことの楽しみや新しい価値を提案しています。女ゴコロマーケティング研究所では、プロジェクトの立ち上げからマーケティング、チームビルディングのお手伝いをさせていただきました。プロジェクトの裏側、商品開発秘話などを対談形式でご紹介します。

【ILMILYプロジェクト 対談メンバー】

  • プロジェクトマネージャー 渡辺 直美(株)パイロットコーポレーション 商品企画部 課長
  • 第1弾商品開発リーダー  大久保 茜(株)パイロットコーポレーション 商品企画部
  • 第2弾商品開発リーダー  鈴木 展子(株)パイロットコーポレーション 商品企画部
  • コンサルタント      木田 理恵(株)女ゴコロマーケティング研究所 所長

※所属・肩書きは対談当時のものです。

デジタル化で緩やかな減少傾向にある筆記具市場
利便性だけではない「手書きの価値」を体現する新たな商品を

木田
パイロットコーポレーションは筆記具の単一ブランドで世界トップクラスの文具メーカー。利便性、機能性を追求し市場を一変させた、消せるボールペン「フリクション」はパイロットコーポレーションを代表するブランドですよね。私も愛用しています!そんなパイロットコーポレーションがなぜ、今、新しい価値を生み出すべく、女性プロジェクトを立ち上げたのか?その背景をお聞かせいただけますか?
渡辺
国内の筆記具市場は、少子高齢化、デジタル化が進み緩やかな減少傾向にあります。デジタルにはない、また、利便性だけでもない手書きの価値を、手書き離れがはじまる20~30代に向けて訴求していかなくてはならないという危機感が背景にありました。ちょうど2018年にそれまで男性がほとんどを占めていた開発部門に女性が多く入ってきました。これまで、インキや機構開発など技術や生産性、機能、性能を高めることにこだわってきた部門の中で、新しい女性メンバーだけの視点で今までにない商品を開発できないかという声が上がりました。
折しも、2017年から始まった「文具女子博」は毎年たくさんの文具好きな女性で賑い、SNSなども女性の文具に関する投稿で盛り上がっていました。こういった発信力の高い人たちに響くモノ。そして、開発する私たち自身も消費者として本当に欲しいと思えるモノを、妥協せずにつくろうということになりました。
女性メンバーだけの視点で進められた「ILMILY」プロジェクト。ブランドサイトは、柔らかなトーンで、手書きのシーンが印象的。

チームビルディングとマネジメント

企画立案の段階から、企画、開発、営業部門が参加するチームを結成
メンバー一人ひとりが同じ志で取り組む

木田
最初は開発部門の女性4人から始まったプロジェクトでしたが、商品企画部門も巻き込んでの大きなチームになりましたね。その理由を教えてください。
渡辺
機能や性能だけでなく、どのようなデザインにするか、どのように伝え届けるかなど、一貫した考えのもと、企画を進めていくことが重要と考えました。そのために、インキ・素材・機構開発を行う開発部門に加え、商品企画部門からは筆記具・文具企画、デザイン担当者、また文具店との橋渡しを担う営業部門からも参加を募って巻き込んでいき、総勢13名の女性チームになりました。
木田
長年、女性マーケティグのコンサルティングをしていますが、プロジェクトの成否は斬新なアイデアが出るかどうかということ以上に、社内を横断した協力関係がつくれるかどうかにかかっています。企画から販売までの過程において、熱量を覚まさず、一本の串に刺したようなブレないアクションができるチームづくりが重要だと骨身に染みて感じています。
企画立案の段階から、同じ志を持ったメンバーがそれぞれの専門分野から意見を出し合う。企画を具現化するため、よりよくするために自ら考え、動く。「ILMILY」は、とても機動力のあるチームだと思います。

木田
社内横断型のチームということで、様々な部署からの意見を集め、それを取りまとめつつ、プロジェクトを前に進めていく、というマネジメント業務は本当に大変だと思います。渡辺さんは、プロジェクトマネージャーとして、どう推進しましたか?
渡辺
様々なツールも活用して、情報の共有と可視化につとめました。リアルに集まる会議は回数が限られるので、課題が出るたびにメンバー全員に自分の意見やアイデアをクラウドのドキュメントへ書き込んでもらいました。それに皆が目を通した上で会議に参加し、ブラッシュアップするといった取り組みを行いました。全体の進捗管理や上長、他部署との調整などはマネージャーである私が行いますが、進行表はメンバー全員で共有しています。それでも遅れが出てきたり、不測の事態が起こったり…。その都度、メンバーに「あれどうなってる?」「優先順位を変えた方がいい」など、声をかけています。

ILMILYプロジェクトの成功要因①

  • 企画・開発・営業部門が参加する社内横断型プロジェクト
  • クラウドツールなどを活用した情報共有と可視化

「ILMILY」プロジェクトが成功した要因の一つが「社内横断型プロジェクト」であったことです。開発プロセスごとに部門をバトンタッチしていく進め方は、部門ごとの課題や解釈により、プロジェクトの根幹がブレやすくなります。「ILMILY」プロジェクトでは、企画の段階から製品化や営業・販売方法、販促に至るまで担当部門メンバーが知見やアイデアを持ちよりました。プロジェクトの初期から、多面的で、有効性・実現可能性の高い議論が可能となり、企画・デザイン・製造・販促・販売という過程で、ブレずに精度高く実行していくことができました。
議論を活発にし、プロジェクトの進行をスムーズにしたのがクラウドツールの活用です。随時行われるメンバーのアイデア出しや課題抽出、進捗を可視化しリアルタイムで共有しました。全員が同じ場所に集まる会議を頻繁にせずとも、誰の意見も取りこぼすことなく、日々議論を深めていくことができました。

マーケティングとブランディング

全員で徹底してターゲット研究に取り組み
新ブランドで、誰にどんな価値を届けたいのかを掘り下げる

木田
関わる部署、人数が多いと、「様々な意見が出てまとまらない」「時間がかかりすぎる」といった声をよく聞きますが「ILMILY」プロジェクトではいかがですか?
渡辺
メンバー全員が、「ILMILY」は、誰に対して、どんな価値を提供するブランドなのかを深く理解し、共通認識となるまでは特に大変でした。まず、最初にターゲット研究は全員で徹底してやりました。どんな人が、どんなシーンで、どんな筆記具や文具を使って、どんな手書きをしているのか?たくさんのプロファイルの中から「ILMILY」を届けたい人物像を明確にし、ペルソナをつくりました。

全てのメンバーがターゲット実態調査を行い、徹底的に「誰に届けたいのか」を明確にしていった。

渡辺
また、私たちが届けたい“手書きの楽しさ”“手書きの価値”とは何か?についても議論を繰り返しました。そんな中でできたのが“手書きの時間をもっとすてきに、らしく、楽しく”というコンセプトです。筆記具をただの道具ととらえるのではなく、生活やその人自身の心を豊かにするものと捉え、「モノ」ではなく「コト」を提案していこうということになりました。「ILMILY」はI Like Me, I Like Youの頭文字から取った言葉です。手書きの時間を「好き」で彩ることで自分がもっと前向きになれて、人にも優しくなれる。そんな思いを込めました。なので、商品企画の際には、機能的な価値だけでなく、情緒的価値、自己表現価値を深く考えます。ここまでがしっかりできれば、メンバーが多くても根幹がブレることはありません。様々な意見がでて詳細が決まるまで時間がかかることはありますが、妥協することなく企画をよりよくブラッシュアップしていくために必要なプロセスだと思っています。

「こすると消える」といった機能的価値ではなく、「好き」の力という情緒的価値、
自己表現価値が深く考えられたブランドコンセプト。

ブランドの根幹を共有したメンバーが
それぞれパフォーマンスを発揮し、成長し続ける

木田
社内を横断する部署から集まったメンバー全員がブランドの根幹となる部分を深く理解していることで、具現化に向けての動きはむしろスムーズで、企画、デザイン、製造、販促、販売という過程でブレたり、軌道修正などのロスが生じない。また、開発部門長や企画部門長がプロジェクトを見守り、スピーディに意思決定や協力体制づくりを行ってくださっているのもポイントだと思います。何より、こういったプロジェクトでは1人の優れたリーダーが旗を振り、メンバーはそれについていくといった形になりがちで、リーダーが抜けると機能しなくなるといったことが多いのですが、「ILMILY」プロジェクトのメンバーは、誰がリーダーになっても大丈夫なくらい、一人一人のブランドに対する理解度、思考、行動力が高いと思います。
渡辺
ありがとうございます。「ILMILY」は1~2年で終わるものではなく、毎年、新しい商品を出し続け、長期的な視点で育てていきたいと思っています。筆記具の商品化は企画から、デザイン、インキ開発、機構開発、製造、販売まで長いもので3~4年かかるものもあります。モノによってやるべきことも開発期間も異なるため、現在も複数の商品企画が平行して進んでいます。発売後の販促まで一貫してみようと思うと複数の商品を一人のリーダーではこなしきれないため、開発商品ごとにリーダーを変えています。いつ自分がリーダーに抜擢されるかわからない。そんな緊張感も、メンバーの成長に繋がっていると思います。

ILMILYプロジェクトの成功要因②

  • ターゲット研究、ペルソナ、顧客への提供価値の深堀り
  • メンバー一人ひとりの自主性、リーダーシップ

ターゲット研究にはじまり、ペルソナの設定にはとても時間をかけました。ブランドの価値を届けたい顧客像を、メンバー全員が深く理解し共通認識としてもった上で、その顧客にどんな価値を届けるのか、というブランドの根幹となるコンセプトを深堀りしていきました。プロジェクトが進行する中で、アイデアを集約する時や選択が必要になった時は、いつもこの顧客像とブランドコンセプトに立ち返り判断します。
プロジェクトスタート時のこの徹底したマーケティングに、メンバー一人ひとりが丁寧に向き合ったことが、プロジェクトを自分ごととして捉え、考え動ける基盤となりました。集まったメンバー皆さんの「ILMILY」に対する深い理解と愛情が、簡単に妥協しない姿勢や自主性、リーダーシップにつながり、プロジェクトの大きな成功要因になっています。 

第一弾商品発売とプロモーション

第一弾商品は常識を打ち破る淡い色彩
手書きの時間をやさしく彩るペールトーンカラー

木田
商品の第一弾は2021年2月に発売されました。商品に詰め込んだ思いや反響などについて、第一弾商品プロジェクトのリーダー大久保さん教えてくださいますか?
大久保
はい。「ILMILY」の第一弾は、「ペールトーンカラー」のゲルインキボールペンと手帳を彩るスタンプやテンプレートを発売しました。これまで、ペンといえば、主線として書いたときにも文字が読めるよう、ある程度の濃さを必要とするのが常識でした。でも、とにかく手帳を可愛く、自分らしく彩りたい。書いているうちにやさしい気持ちになれような、そんなペンを提案したいと考え、今まででは、絶対に会議で却下されるような淡い色彩のペンを企画しました。「やさしい気持ちになれる」ということを大切にしたかったので、色の名前も情緒的なものにしました。

プライベートタイムに手帳やダイアリーを彩るシーンを想定して開発された。
淡く繊細な表現ができるインキ色には、それぞれストーリー性のあるネーミングが。

大久保
ターゲット層の女性に人気のイラストレーターさんとコラボをしてペールトーンのペンの使い方や魅力を訴求したり、販売店や購入されたお客様を巻き込んでSNSで参加型のキャンペーンをしたりしました。文具女子博に初出店しお客様の声を直接聞くこともできました。やったことがないからできないではなく、やったことがないのならやってみようという考えで、「ILMILY」プロジェクトではたくさんの“初”を提案し、実行することができました。

メンバーの情熱で実現した「文具女子博」への出展。
文具女子博をきっかけにInstagramのフォロワーが約2,500人増え、ブランドの認知、商品発売への期待感につながった。

前例のない挑戦を続けたプロモーション
第一弾商品は予想を上回る早さで完売に

木田
たくさんの“初”の提案が通り、実行に移せたのは、前提として会社に「これまでにない書くことの価値を創出したい」「女性の視点で今までにない商品を開発してほしい」という期待があったことが大きいですね。
大久保
会社には「ILMILY」プロジェクトからの提案は基本前向きに受け止められていましたが、それでもやはり前例のないことには鋭い指摘をたくさん受けました。その都度、なぜ「ILMILY」プロジェクトに必要な施策なのか?そのことがどんな効果をもたらすのか?を丁寧に説明し、理解してもらいました。自分たちのやりたいという思いだけでなく、経営の立場から見たらどんな意義があるのかという視点も考えるようになりました。
木田
第一弾の「ペールトーンカラー」ゲルインキボールペンはとても好評だったと聞いています。
大久保
はい。発売約1か月で予定していた個数を完売し、SNSでも再販してほしいとたくさんの声をいただき、2022年1月には、その声にお応えして復刻版の販売も果たしました。第2弾以降、さらに密度を高く、スムーズに進められるよう、販売数字だけでなく、お客様や販売店の声、企画から販促までのプロセスでの気づきなどをプロジェクトメンバーにシェアしました。また、協力してくださった関係各所にも報告し、社内外の皆さんに「ILMILY」プロジェクトに対して理解を深め、協力したいと思ってもらえるように働きかけました。
木田
実施したことを検証し、次に生かす。チームを孤立させず周りを巻き込んで協力者を増やしていく。当たり前のことのようですが、目の前のことに没頭しているとなかなかできないことです。これからも続けて欲しいです。

IILMILYプロジェクトの成功要因③

  • コラボなど新しい取り組みへの積極的なチャレンジ
  • 上層部の理解と社内外を巻き込む力

「やったことがないからやめる」のではなく「やったことがないからやる」という積極的なチャレンジ精神がチームの根底にありました。挑戦的なプロジェクトは理解されにくく組織から孤立し、十分な協力が得られ無いまま頓挫しがちです。しかし、「ILMILY」プロジェクトには、企画と開発、両部門長の理解と協力がありました。企画の部分はメンバーを信じて任せ、実現の際には組織的にフォローしてくださることで、プロジェクトがスピード感を持って推進されました。またチームメンバー自身も、社内外に取り組みの目的や進捗、成果をきめ細やかに報告し働きかけました。こうして会社として新しい挑戦である「ILMILY」が、理解され応援されるプロジェクトに育っていきました。

第二弾商品発売とプロモーション

機能訴求に偏りがちな筆記具を「手元を自分らしく彩るアイテム」
として価値訴求、新しい選び方を提案した第二弾商品

木田
2021年9月には第2弾「手元コーデ」油性ボールペンが発売されました。開発リーダーの鈴木さん、筆記具で「手元コーデ」とはどういうことでしょう?
鈴木
私たちは、洋服やファッション雑貨を、自分に似合うかどうかや、こんな風に見せたい、見られたいと思ってコーディネートして選びますよね。しかし、手元を彩るアイテムである筆記具はそんな風に選んだり、こだわったりする人は少ない。第一、女性の手元を素敵に彩るというコンセプトでつくられた筆記具は世の中にありませんでした。だったら筆記具の新しい選び方として「ILMILY」で提案しよう!と取り組みました。自分に似合う色、見せたい自分、なりたい自分をイメージしたボディカラーの筆記具が「手元コーデ」ペンです。手書きをするとき、気分が上がったり、自分に自信が持てたり、好きになってもらえたらいいなと思って企画を進めました。

対人での打ち合わせや大事な会議などのビジネスシーン。
ペンを持つ自分の手元に自信が持てるよう、春夏秋冬のパーソナルカラーに合わせた商品を提案。

木田
「滑らかに書ける」「発色がきれい」といった機能訴求に偏りがちな筆記具を、「手元を自分らしく彩るアイテム」として価値訴求しようという着想が素晴らしいと思います。この商品の肝は、そういった新しい価値観をお客様に啓蒙すること。そして、“自分にぴったり”を選ぶプロセスの設計だと思います。どんな工夫をされましたか?。
鈴木
まず、似合う色の根拠が大切だと思ったので、ここ数年、ファッションや化粧品業界でも取り上げられ、若い女性を中心にSNSでも盛り上がりを見せているパーソナルカラーを取り入れようということになりました。監修は色のプロであるパーソナルカラーアナリストのさやまあやこ先生に依頼し、似合う色を、春・夏・秋・冬の4つのタイプに分けました。筆記具に加え、コーディネートして映えるノートとペンケースも一緒に開発しました。
店頭の什器では、アイテムごとではなくパーソナルカラーごとのコーディネート提案陳列を行い、簡易的なパーソナルカラー診断シートで似合う色を診断できるようにしたり、試筆している手元を見られるように鏡を設置したりしました。什器自体も文具ではなく化粧品売場にあるような雰囲気にしたいと、かなりこだわりました。手に取って自分の手元に似合うかどうか確かめてみたくなる。そんな提案ができたと思います。
木田
ペンやペンケースの色味、金具や裏地にまでこだわって、何度も何度もサンプルを作って調整していましたね。自分の手元には何色が似合うんだろう?私の持っている手帳と色を合わせるとしたらどの色が生えるだろう?と手に取っているうちにぴったりな一本が欲しくなる。そんな仕掛けになっていると思います。

アイテムごとではなく、パーソナルカラーごとのコーディネート提案をした店頭での陳列。
手元を見られるよう鏡を設置するなど、選ぶプロセスも楽しめる。

顧客に届けたい価値が明確になることで生まれる・つながる
異業種とのコラボレーション

木田
今回は、コラボキャンペーンにも力を入れていましたよね。
鈴木
やはり手元のおしゃれといえばネイル。手元のおしゃれに関心のある層に新しい筆記具の選び方を訴求したいと思い、excelのネイルポリッシュを展開されている常盤薬品工業様に働きかけて、Instagramを軸としたコラボキャンペーンを展開しました。今後は、こういった異業種コラボも積極的に行い、イベントや商品開発なども行っていけたらと考えています。
木田
楽しみですね!「ILMILY」のこれからの展開にますます期待が膨らみます。
渡辺
ありがたいことに「ILMILY」のコンセプトに共感して、様々な企業とのコラボレーション企画が持ち上がっています。若者層のライフスタイルや購買行動のリサーチ、新商品開発を行う企業とのコラボも始まり、メンバー全員が良い刺激を受けています。また、当社海外営業本部からも、国内にとどまらず海外市場を視野に入れた取り組みを一緒にしたいと声がかかりました。「ILMILY」の取り組みが新しい市場を創り出すだけでなく、パイロットコーポレーションのブランド価値につながればいいなと思います。

手元を演出するアイテムであるネイルポリッシュとのコラボレーション。Instagram を軸としたキャンペーンを行った。

女性マーケティングに必要な4つの視座

  • 女性理解(社会的文化的特性など、理解と知識のアップデート)
  • 顧客起点(顧客接点で起こっている事実をすくいあげ読み解く)
  • 顧客視点(顧客になりきって考える共感性)
  • 未来視点(企業と顧客が共創したい未来から考える)

女性マーケティングの成功には、上記の4つの視座が必要です。これらの視座を持ちプロジェクトに取り組むチームが育ったことこそが、「ILMILY」プロジェクトの大きな成果だと感じています。「ILMILY」プロジェクトは、小手先のデザインを変えたり、単発の商品を生み出すものではありません。丁寧に顧客を理解し、共感し、「書くこと」を通じてどんな自己実現を叶えられるのか、という顧客視点・未来視点から生まれたブランドコンセプトがあります。第二弾商品、顧客のなりたい自分をかなえる「手元コーデ」は、まさに未来視点から生まれました。
「ILMILY」チームの活躍が、今後さらに新しい価値を生み出し、組織に変革をもたらしてくれると信じています。

プロジェクトを振り返って

チームを成長させてくれた第三者の視点

株式会社パイロットコーポレーション 
商品企画部 部長 佐々木 隆 様

このたびはパイロットコーポレーションの女性社員による「ILMILY」プロジェクトを取り上げていただき、ありがとうございます。木田先生に伴走頂きながら、書くことの楽しみや新しい価値を提案する商品を発売できたこと、また多くの方の支持を頂けたことに感謝いたします。
この商品は企画部発ではなく、開発部門の女性達が自発的に部門を超えて商品化したいとの強い思いから生まれました。それならば開発も企画も販促も女性達だけで進めるプロジェクトにしようとスタートしました。最初に決めたことは、女性だけで女性が欲しいと思う商品を作り上げる、打合せには部長であっても男性は入らない、というものでした。
一つの商品化の話から「ILMILY」プロジェクトが進むにつれて、規模も、期間も、思いも、大きなものになっていきました。初めての試みが多く、会社から違う方向が示されることもあり、メンバーのモチベーションや計画の縮小、頓挫が懸念されるときもありました。そんなとき、木田先生のプロジェクト推進の視点と第三者視点からのアドバイスが、新しいことを進める原動力となり、メンバーを成長させてくれました。
今後もプロジェクトメンバーの情熱とチームワークで、先生の温かく時に鋭いアドバイスを胸に、新しい価値を持った商品を届けてくれると確信しています。

※所属・肩書きは対談当時のものです。

情熱とチームワーク

株式会社パイロットコーポレーション 
湘南開発センター センター長 横井 秀雄 様

「ILMILY」の原点は、湘南開発センターの4人の女性による「インスタ映え」をするインキを開発しようというプロジェクトでした。プロジェクトの発表を聴いた際、単にインキを実験室で考えるだけではなく、本社に行って意見交換を行っているということに強い感銘を受けました。
この4人の最初の熱意が高かったので、ILMILYは立ち上げられたと思っています。
実際に横断型のチームが始動すると、自分達のコンセプトと異なる意見も生じ、開発センターの4名は随分と苦悩したと思います。ここが難しいところですが、人を突き動かす「情熱」は熱ければ熱いほど、自分の考えへの固執をうみます。開発センターの4人が自分達の「情熱」ゆえの固執から解放されたのは、一緒に苦労をして動いてくれた本社メンバーの「情熱」の力だと思っています。
また、「ILMILY」チームをここまでに成長させてくれたのは、木田先生の「情熱」でしょう。メンバーは日常業務もこなしながら、先生からの課題に歯を食いしばり、逃げずに取り組み続けました。
正直、メンバーのビジネスパーソンとしての成長ぶりは予想をはるかに超えており、驚いています。個人の「情熱」が、チームとなりぶつかり合いながら一つの方向に向かっていくことが、どれだけ人を成長させるかを痛感しています。
チームメンバーたちは、年齢は私より若くても尊敬する存在です。最後はちょっとヨイショのように思われるかもしれませんが、これが実感です。
今もなお成長し続ける「ILMILY」チームを、今後も応援しています。お互いに頑張りましょう!

※所属・肩書きは対談当時のものです。

サポートに感謝

プロジェクトの成功には、上司である佐々木部長、横井センター長の存在が欠かせませんでした。
特に、企画についてはメンバーを信頼し任せてくださったこと、その上でいざ実現する際には、足りないと思われることを、組織的にフォローしてくださったこと。おかげ様でとてもスピード感を持ってプロジェクトが具現化されていったと思います。
お二人をはじめ、企業全体の筆記具への愛情や熱意があってこそ、本プロジェクトが成功したと感じています。ありがとうございました。


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