女ゴコロを学ぶ Vol.335
対岸の家事
こんにちは!女ゴコロマーケティング研究所の木田です。
『対岸の家事』
この春、TBSで始まった新しいドラマのタイトルです。
「えっ?火事ではなく、家事?」
「家事を扱うのってなんか地味?」
なんて第一印象が視聴後には吹っ飛び
「なんと秀逸なタイトルなんだ!!」となりました。
過去の経験から「自分には2つのことが同時にできない」と
家族のための家事と育児に専念するため
専業主婦の道を選んだものの
社会とのつながりが絶たれ孤独感を抱える主人公。
仕事と育児を両立させるべくワーママを選択したものの
ワンオペ育児の厳しさに直面し疲弊する隣人。
ワンオペ育児中で休みがちな社員のフォローのため
仕事の負荷がかかり不満を抱える後輩社員。
2年の育児休暇を取り完璧な育児計画を立て遂行しようとする
エリート官僚のワーパパ。
さまざまな立場の人たちがそれぞれに問題や葛藤を抱え
自分自身の正解が分からない、他者への理解もないところから
“育児”を中心に交わり
相手の立場や価値観を理解しあったり、しなかったり…
時にモヤモヤしたり、助けあったりすることで
自分の生き方について考え、大切にしたいことに気づいていく
そんなドラマになっています。
私自身は主人公の隣人、江口のり子が演じるワーママに近く
過去に経験し、葛藤したあの頃の感情がよみがえり
毎回、胸がキュウ~として思わず涙がこぼれてしまうのですが
それよりも気づきがあってよいなと思うのは
あの頃、自分のことに精一杯で
見えていなかった、感じようとしなかった
周りにいたはずの
立場も価値観も違う、まさに対岸にいた人たちのことについて
思いを寄せることができることです。
渦中にいると自分のことに必死で見えないこと
自分自身のことでないとなかなか想像できないこと
そんなことを
ドラマという俯瞰で見ることのできる架空の世界で
様々な登場人物の行動や心理描写を通して見て、感じることができる。
今の子育て世代を取り巻く社会や課題を理解するきっかけに
自分がこの立場だったらどう感じるか、何ができるかを考えるきっかけに
女性マーケティングに取り組む皆さんにとっても
とてもよい学びになり
ヒントとなる問いかけをしてくれるドラマだと思います。
原作となった書籍『対岸の家事』朱野帰子(著)もありますので
ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。