女ゴコロを学ぶ Vol.324

令和の米騒動に学ぶべきこと


こんにちは!女ゴコロマーケティング研究所の木田です。


 「米がない!!!」

8月初旬からなんとなく異変には気づいていました。

 「あれ?このスーパーのお米の棚、空っぽだな…。
  発注ミスで在庫切らしたのかな?」

はじめはそんな程度の認識でした。

ところが、自宅のお米のストックが
いよいよ残りわずかとなった8月中旬。

  「ない、ない、ない。どこを探してもない。」

いや、米は日本の主食だし。
お国が安定供給できるようちゃんとコントロールしてるはず。

と、たかをくくっていましたが

息子のお弁当に入れるご飯も尽き
夕飯をパックご飯や麺類で凌ぐようになり
さすがに不安に…。

それは、今日食べるものがないという不安ではなく

日本人の主食で
価格の変動も外国からの影響も少なく
多くの人が平等にお腹を満たすことのできる
いわば私たちの生命線である「米」が突如
なんの前触れもなく店頭から消える不安

それに加えて
農林水産省の「米の需給は逼迫していない」という発言に

どうして?私たちはこんなに困っているのに?

ならば自分の身は自分で守るしかないと
生活防衛意識を高めた人は多いのではないでしょうか?

不安が不用意な買い占めを煽り
不当に高値を付ける通販業者の米に飛びつく…。

そうした行動は必ず
その後の消費に悪影響を与えます。
国への不信にも繋がります。

なぜ

「あと数週間もすれば今年の新米が店頭に並びはじめます。
 今年の収穫は順調に進んでいます。
 災害時のために国には十分な備蓄米があるので
 安心してください。

 学校やこども食堂などへは状況を見つつ
 適切な支援ができるよう準備を進めています。」

という生活者の不安に寄り添った発信ができなかったのかと
残念に思うのです。


そうした視点に立てば

スーパーなどの小売店でも
同様のことが言えるのではないでしょうか?


「お米がない!子どもや家族の食事をどうしよう。」


不安いっぱいで
藁をもすがる思いでお米の売場にやってきたお客様に

空っぽの棚を見せるだけでよかったのでしょうか?

そのスーパーの存在意義が
仕入れた商品を陳列して売るだけの器であるのであれば
それでいいのかも知れません。

しかし

地域のお客様の安心・安全で質の高い生活を支えるための
手段として商品を仕入れて販売しているのであれば

ただ、欠品している棚を見せるのではなく


不安を少しでも払拭するようなコミュニケーションが
あるべきではないかと思うのです。


「せっかく見に来てくれたのにごめんなさい。
 現在、お米の供給が不安定なため欠品が発生していますが
 9月初旬から徐々に新米のご用意ができる予定です。
 今年のお米は順調に育って平年並みの供給が予想されています。
 どうか、もう少しだけお待ちください。
 お客様においしいお米をお届けできるよう
 バイヤー一同がんばります!」

そんなメッセージと共に

お米の代替食材や、ご飯のかさ増しメニューの提案など


今、困っているお客様の
不安な気持ちに寄り添うことができれば


マイナスな出来事をきっかけに
お店への信頼や愛着も高まったのではないでしょうか?


単にモノがある、ない。高い、安い。で選ばれる店ではなく

このお店が好き、信頼している、このお店と関係性を築きたい

そんな理由で選ばれる店へ。


危機こそチャンスなのです。