女ゴコロを学ぶ Vol.322

価格は購買動機の1番にはなれない


こんにちは!女ゴコロマーケティング研究所の木田です。


テレビが壊れました。

突然、プツンと画面が真っ暗になり
そこから何度リモコンを操作しても
プラグを抜き差しして再起動を試みても
うんともすんとも言いません。

兆候はありました。
そう…。3年前から。
その度に再起動をかけたり
基盤を入れ替えたりしてなんとか騙し騙し使ってきたのです。

ああ、もう本当に潮時だ。

10年間、テレビに付属するハードディスクに撮りためた
お気に入りのドラマやライブや名勝負の数々ともおさらばだ…(T_T)。

買い替えるとしたら

今と同じ
 時間の制約なくテレビが観れるタイムシフト機能付きで
 操作がとにかく簡単で
 気兼ねなくバンバン録画しておけるように
 ハードディスクは大容量がいい。

家電量販店の売場にはそれはもう
たくさんのテレビモニターとレコーダーが展示されているけれど

案の定、どれが自分のニーズに合った商品で
どのブランドがよいのか
そもそも商品の特徴や他との違いはなんなのか
自力で選ぶのを早々にあきらめて
店内にいるスタッフさんを呼び
自分にぴったりの商品をお勧めしてもらうことにしました。

どれくらい時間が流れたでしょう?

 私が日常生活で“したいこと”を説明する。
 スタッフは商品の“スペック”を説明する。

説明されたスペックが、私のしたいことを叶えてくれるのか
100%無理だとしても
それを補完するような解決策はあるのか、ないのか
そこが一番知りたいことなのに噛み合わない。
さっきからずっと話が並行線上…。

粘り強く、いろいろ質問を繰り返し
ふと、お勧めされた商品の隣にある商品を指さし

 『こっちなら一番、私のニーズに合っているのでは?』

と質問すると、驚くことに

 「そうなんですけど
  そちらの商品はお値段が倍ほどします」

と返事がきました。

 『あの、私、予算の話をしましたか?』

 「いえ、でもお値段を気にされる方が多いので」

 『ちなみにどれくらい違うのですか?』

 「〇〇万円です」

 『したいことができて、この先5年10年使うこと考えたら
  全然、許容範囲です』


価格の高い、安いは
お客様の叶えたいことに対して
商品の提供価値が見合っているのかどうかで決まります。

同じ商品を
Aさんが、高いと思っても
Bさんが、安いと思うことだってあります。

Aさんと、Bさんとでは叶えたいこと、価値観が違うからです。

Aさんは価格志向のお客様で、Bさんは高級志向なのかというと
一概には言えません。

商品ジャンルやこだわりのポイントによっては
Aさんが、Bさんよりもたくさんお金をかけることがあるからです。


コスパ(コストパフォーマンス)が重視される世の中ですが
“コスパ=安い”ではありません
コスパは支払った金額に見合う効果や満足度。


何を効果だと感じるか
何にどれくらい満足するのかは
お客様によって違います。

大切なのはお客様の叶えたいことに対し
見合う商品の提供価値をしっかり提案すること。
それが1番にあるべきです。

価格は購買動機の1番にはなれないのですから。