女ゴコロを学ぶ Vol.321
カスタマーハラスメントに思うこと
こんにちは!女ゴコロマーケティング研究所の木田です。
「さっきから何回おんなじことを言わせるんや!」
「あんたじゃ話にならん!上司を出せ!」
銀行内に怒号が響き渡ります。
あぁ、まただ…。
目をやると60代前後の男性が
窓口の女性を見下し、怒りをぶちまけています。
一体、何に怒っているのだろうと
耳を傾けてみると
銀行の定めた手続きのルールに納得いかない様子。
そんなこと、窓口の女性を威嚇したってどうしようもないのに…。
仮に上司が出てきたところであなた一人のために
ルールが変わるわけないでしょうに。
最近、こういう場面によく遭遇します。(今月に入って3回目…)
銀行で、役所で、病院で、怒鳴り散らす高齢男性に
ただただ耐えて同じ説明を繰り返す女性スタッフの構図。
物価高騰や先行き不安感に加え
自動化、ネット化、簡略化の波で
これまでのサービスに慣れていた人が馴染めず
イラつき、誰かに鬱憤をぶちまけたくなる気持ちもわからなくはないですが
そのはけ口にされる人は たまったもんじゃありません。
居合わせた客も時間を奪われ不快な気分にさせられてとても迷惑です。
不思議に思うのは
そういう状況になっていても
その場にいる他のスタッフが誰も助けに入らないことです。
まるで無関心なのか? 自分も巻き込まれたら嫌だからなのか?
勝手に持ち場を離れてはいけないという職務全う意識が高いのか?
でもね…。 これは、明らかに緊急事態なのです。
速やかに対応せねばいけない案件です。
カスタマーハラスメントをする人は明らかに相手を見てやっています。
被害に合う人は、女性や若者に多い。
自分が高圧的に出たら優位に立てると踏んだ相手にやる。
成功体験(必ずしも問題解決ではなく憂さ晴らしも含む)ができると繰り返す。
それを見ていたカスタマーハラスメント予備軍の客にも
ここならやって許される。やって当然だという免罪符を与えることになるのです。
カスタマーハラスメントを受けたスタッフへの影響は深刻です。
理不尽に怒鳴られ続ける恐怖、公衆の面前での侮辱、尊厳の否定。
そのことがメンタルやモチベーションの低下、離職に繋がることも。
カスタマーハラスメントの現場に何度も居合わせて感じるのは
スタッフのモチベーション低下は
ハラスメントをする客に対する嫌悪だけでなく
自分一人そのような状況にさらされていながら
誰も助け船を出してくれない
対応を丸投げされる職場に絶望するからではないかと思うのです。
接客業に従事するのは近隣に住む女性が多く
またお客として来店するのも近隣の女性が多いでしょう。
お客様はそのお店のカスタマーハラスメントの対応を見ています。
スタッフをまるで見殺しにしているように見えるお店で
自分も働きたいとは思わないでしょう。
自分の家族が働くと言ったら反対するかもしれません。
カスタマーハラスメントを根絶することは難しいですが
カスタマーハラスメントが起こった時の対応は
自社でできることです。
そして、それが効果的に機能すれば
自社で起こるカスタマーハラスメントの数を減らすことができ
今よりも従業員の信頼を深め
モチベーションを高めることだってできるかもしれません。
皆さんの会社では
カスタマーハラスメント対策、できていますか?