女ゴコロを学ぶ Vol.319

ダブルケアの救世主? 訪問診療を考える


こんにちは!女ゴコロマーケティング研究所の木田です。


GWが明けました。
皆さん、どのように過ごされましたか?

私は、普段、母の介護を主にしてくれる妹に変わって
実家で過ごす予定にしていましたが

その前夜に息子が発熱。
久しく使ってなかった体温計で計ると40℃。
目を疑いました。

後日、なんとか入手できた検査キットで
コロナ陽性が判明し

期せずして

24時間見守り&介助が必要な母と
コロナ陽性の息子の看病という

なんだかハードモードなダブルケアラーを
体験することになりました。

状況を理解してか
高熱が何日も続く中
気丈に振舞っていた息子も

3日目あたりでのどの痛みが耐えられない
水を飲みこむのもつらい状態になりました。


このまま市販薬で凌いでいていいのだろうか…。
不安が募ります。


母をなんとか数時間でも預けられる手段を講じ
家から行ける範囲の救急外来を受診する決断をしましたが

「発熱症状のある患者の救急外来は行っていない」

と断られてしまい

藁をもすがる思いで初めて

オンライン診療や訪問診療を行っている
“ファストドクター”に問い合わせをしてみることにしました。


オペレーターから

これまでの症状の経緯と
服用してる市販薬とその残量、水分や食事は取れているか
これまでの既往歴、アレルギーなどのていねいな聞き取りがあり

トリアージの上、訪問診療をしてもらえることに。

保険証や決済方法、訪問先の詳細などを入力しているうちに
担当医師と到着時間の案内があり

問い合わせをしてから90分後に医師と看護師が到着。

診察をして
市販薬よりも効きの良い薬をその場で出してもらうことができ
祝日は処方箋薬局も休みなので本当に助かりました。


息子もやっと医師に診てもらえ
登校できる目安も教えてもらえて心から安心できた様子でした。


もっと早く、訪問診療を受ければよかった…。


ファストドクターをはじめとする訪問診療サービスは
コロナ下で脚光を浴び
自力で病院へ行けない人や医療崩壊の危機を救いました。


しかし、現在は

緊急を要さない軽い症状で夜間や休日に自己都合で受診する人や
自治体の医療費助成のある小児の「コンビニ受診」を招いている

という指摘もあります。

保険診療である限り、限られたリソースを適切に配分することは
とても重要なことですが

フルタイムの共働き家庭が増えた現代において

小児の受診が増えたこと=「コンビニ受診」と位置付けてよいのでしょうか?


病気単体で考えてみれば
受診の結果、一刻を争うものではなかったというケースがあったとしても


子どもの急な発熱を親が緊急かどうかを判断できないし

保育園や学校から連絡を受けて帰宅した後
開院している時間帯に発熱外来を受診できないこともあるでしょう。

国内に25万人(うち7割が女性)いるといわれる
育児と介護を同時期に行っているダブルケアラーは
要介護者をひとり家に置いて病院に行くことすらできず
往々にして子どものことが後回しになりがちです。


病気単体ではなく、子どもの急な発病から起こる周囲の状況や

社会の

「女性は出産後もフルタイムで仕事を続けるべし」
「介護はできるだけ自宅で行うべし」

といった要請を考えると


“ファストドクター”のようなサービスは

必要な社会インフラになりうるのではないかと思います。


未だ日本では
育児も介護も主に行っているのは女性なのです。