女ゴコロを学ぶ Vol.316
受験から考える女性とルール
こんにちは!女ゴコロマーケティング研究所の木田です。
今週初めにやっと息子の高校受験が終わりました。
いや、長かった。
本当に長かった。
1日限り、一発勝負の入試を受ける息子のために
親としてできることは体調管理につきます。
寒さと乾燥でただでさえ風邪をひきやすい時期に
インフルエンザの大流行、学級閉鎖
下火になったとはいえ油断できないコロナと
一体、なんでこんな時期に試験なぞ…と
恨みごとの一つも言いたくなるくらいでしたが
あるお母さんの一言で
そんな恨みも吹っ飛ぶくらいの衝撃を受けました。
「おまけにうちの子
第一志望校の受験日に生理があたりそうで…」
そうだ、忘れてた…。
女の子にはそれがある。
人によって感じる苦痛は違うけれど
中学生や高校生は
まだ生理の周期が安定しなかったり
どんな痛みや不調が現れるのか
自分にどれだけ耐性があるのかもわからない
痛みや不快症状のコントロールの仕方も定まらない
とても不安定な時期なのです。
そんな時期に人生が変わってしまうほどの
一発勝負の試験を受けなければならないなんて
あまりにも酷なこと。
この問題は昨年、国会でも取り上げられ
文部科学省は全国の各都道府県に
月経痛や月経前症候群(PMS)で高校入試を
欠席した場合も追試の対象とするよう通知をしましたが
都道府県によって対応はまちまちで
その運用についても
現行システムの中で
公平性をどう担保するのかといった点で課題も多く
子どもたちが安心して活用できるまでには
時間がかかりそうです。
生理の話は、まだまだタブー視されることもあり
本人だけでなく周りの大人たちの理解も足りません。
それは
「感じる痛みや不快症状に個人差があり
同じ女性同士でも、症状の軽い人から見ると
理解しにくい問題であること」
「組織や環境整備のルールをつくり運用の責任を持つ
管理職の9割が生理を経験することのない
男性であること」
「生理を語ることがタブー視されてきたため
痛みを軽減するための産婦人科受診や薬の服用
コントロール手段の認知や活用が遅れているため」
などに起因していると思います。
“生理があるために機会が奪われる”
男女不平等が当たり前だった時代には
そのことに対して大きな疑問は感じませんでした。
女の子なんだから勉強がんばらなくていい
女の子なんだから仕事で結果ださなくていい
女の子の幸せは元気な子どもを産んで育てること
そんな価値観が当たり前の時代に
女性が勉強も仕事も頑張るためには
世の中の価値観に逆らって自らの意思で
歓迎されない世界に飛び込むのだから
不利なルールや環境であっても当たり前
それを疑うことすら発想できなかったのです。
でも、今は違います。
男女が平等に活躍できる社会の実現を目指すことが
当たり前の時代になりました。
それならば
過去につくられ今なお運用されているルールを“是”とし
“是”から逸脱している女性のために
特例を設けてやるという発想ではなく
過去につくられたルールや環境を疑い
一から構築するという目線も必要ではないかと思うのです。
それは
今の社会や
女性活躍推進を推し進める職場にも
当てはまることだと思います。